小さな子どもに楽しくスキーを教える方法【前編】

Masakiです。

一時期、長野のスキー場でインストラクターとして、3歳から中学生くらいのキッズ、ジュニアにレッスンしてました。

正確には分かんないけど500人くらいは教えたかなぁ

数千人、数万人のレッスンをこなしたベテランインストラクターは沢山いらっしゃるわけで、Masakiの教えた人数なんて大したことはないんですが…

今回はその時の経験を記事にして投稿してみようかと思います。

さて…

 

 

小さな子供が楽しく滑るには

 

2016.03.14a

以前書いた子供へのスキーの教え方の記事を久々に読み返してみたのですが、近年実践していることと異なっている部分がちらほらあったんだよね。やっぱりアップデートって大事ですな(笑)

そんなわけで、その記事を元に、全4編に再編集してみました。

 

前編…雪の上に立つ前に

中編…滑る、止まる

後編…曲がる

ちょっとしたコツ編

 

一編一編はそこまで長くないので、お時間がある時に是非読んでみて下さい。

今回は、「雪の上に立つ前に」と題して書いてみたいと思います。

小さな子供がスキーを楽しく練習してくれるかどうか…

 

 

勝負はスキー場に行く前から

始まるんだよ(笑)

 

 

天気について

スキーデビューの日、とにかくこの1日をめちゃくちゃ大事にして下さい。

子どものスキー人生が、この1日に左右されると言っても過言ではありません。

できれば晴れの日!最低でも大雪の日、吹雪の日は避けて下さい。

吹雪ちゃって極寒、おまけにコケて雪まみれになんかなっちゃったら、二度と一緒に行ってくれないかもしれません。「また行きたい」と言ってくれるように、とにかく気を遣いましょう。

スキー場に行ってみたものの猛吹雪なんて場合は…

子どもにもよりますが、初スキーを諦める勇気も必要です。

初日は何が何でも「楽しさ」を優先した方が賢明です。

 

 

スキー場選びについて

 

初めて訪れるスキー場選び、これも非常に重要だよね。

ブーツを履いたロボットみたいな状態で駐車場から長距離歩行を強いられ、到着したらリフトもゲレンデも激混み、滑ろうと思ったら緩斜面がほとんどない… みたいなスキー場じゃ子どもが楽しんでくれる可能性は激減しちゃいます。

具体的に、重要な条件をまとめてみたんで、このあたりに気をつけてスキー場を選んでみて下さい♪

・晴天率が高い
・駐車場からゲレンデが近い
・混雑していない(特にリフト)
・緩斜面のロングコースがある
・短くてもいいので、超緩斜面がある(キッズパークでも可)
・緩斜面に3~4人乗りリフトがかかっている(パパママ両方と一緒に乗れる)
・レストハウスが広い(休み時間にくつろぎやすい)

こういう情報はインターネットでいくらでも調べられます。小さな子供のいるファミリーにとって快適なスキー場は昔に比べて大分増えているんじゃないかな。少しでもよい条件のスキー場を探しましょう。

簡単に探すなら、「ファミリー向け」をキャッチコピーに掲げているスキー場で、「空いている」って口コミが見つかれば、有力候補としていいんじゃないかと思います。

 

 

重要な大前提

 

パパママ両方が初心者の場合は、素直にスキースクール入校を検討してもらった方がいいと思います。せめてパパママの片方は、中級斜面でパラレルターンができるくらいでないと、子どもを教えるのは難しいですし、なにより子どもが危ないと思います。

 

 

スキーは何歳から滑れるのか?

 

インストラクター時代も、今もよく聞かれる質問です。

 

逆に「何ができたら」スキーができるということになるの?

 

ってとこなんだけど…

とりあえず、ブカブカでもいいからブーツを履かせて、板装着して、限りなく真っ平らなところで、パラレルスタンスの低速直滑降でいいなら1歳からいけるんじゃない?
(パラレルスタンスとは「板を平行にするスタンス」のことね)

スポーツじゃなくレクリエーションだけどね。もちろん、これが悪いなんて言うつもりはありません。ただ、これで「スキーができる」とは言えないかと^^;

Masaki的には、緩斜面限定でもいいので、スキーの超基本三大運動の滑る、止まる、曲がるが可能であれば「スキーができる」って言っていいんじゃないかと思います。

 

で、それは結局何歳からできるのか?

 

教えられる側の子供、教える側の大人、両方に大きく左右されるでしょ~ね~

2歳半くらいからいける場合もあるし… 現実的には3歳くらいからですね。

 

 

道具の準備

 

小さな子どもの場合、スキーは購入でもレンタルでも、どちらでもOKでしょう。

新品にこだわりがない方は、ネットオークションや携帯フリマアプリとかもアリですね。

上物が購入できれば、ビックリするくらいのお得感がありますよ。成長の早さを考えれば、シーズンレンタルってのもアリだね。

 

 

最初の板は短いものがお薦めです。5歳未満で初めてのスキーなら、身長マイナス10cmくらいが目安かな。大きくなることを見込んで購入するとしても身長より長いスキーを購入するのは避けて下さい。

小学校入学前の子供の場合、滑りを最優先するんであれば、身長マイナス5~10cmの板を毎年準備するのがベストじゃないかな。

レンタルの場合は、必ずカービングスキーを貸してくれる所を探しましょう。

今も極稀にカービングスキーではないスキーを貸しているところがありますから… 滑りやすさの前に、古すぎる道具は経年劣化が心配すぎます。道具が原因で怪我とかは絶対避けたいですよね。 あっ、ストックはいりません(笑)

ブーツは、足の実寸プラス0.5cmくらいが目安ですね。

できれば靴下にもこだわって下さい。

綿ではなく、化繊でブーツから靴下が見えるような長めのものがいいですよ。化繊は綿と比べて一本の糸が細いので、ブーツをある程度締めていっても、繊維が足へ食い込んでいくことによる痛みを避けることができます。

ブーツのバックルは、少しづつ締めていってあげて、大人の人差し指がスムースに入る限界まで締めるくらいがいいと思います。

スキー、ブーツのレンタルはどこのスキー場でも大丈夫だと思いますが、ウェア、グローブ、ゴーグル、ニットキャップ、ヘルメットとかはレンタルする場合、事前調査が必要ですね。

多分、買う人の方が多いんじゃないかな。

買う場合、「雪遊び」ではなく「滑る」を前提にするのであれば、グローブだけは高級品を買うことをオススメします。

ピンポイントで1個オススメするならコレですね。

 

 

手は厚着をすることができないから、子どもが寒さを一番感じやすいんだよね。

安価なグローブはやっぱり防寒能力は低いです。ウェアは安物でも厚着すれば最低限は働いてくれます。

ちなみに、「雪遊び」を前提にした場合、逆にグローブはセール品を3個くらい買うことをオススメします。濡れたらすぐに交換できますから。

 

 

もう一個準備してほしいもの

 

ごく普通のスキー道具以外に、是非準備してほしいものが1つあるのです。

ボーゲンヘルパーのようなスキーの先をジョイントしてくれる補助具です。

 2016.03.14b

これを使うことに、色々な意見があります。

そもそも使用に否定的な意見もありますし、使ってもいいけどできるだけ早く外すって意見もよく聞きます。

 

 

Masakiは超推奨派です。

 

 

筋力のない小さな子どもが、ももを内側に捻って、プルークスタンス(いわゆる板を三角にする状態、一般の人はよくボーゲンと呼ぶスタンス)をキープしつつ、雪を掻き分けるのはかなりの重労働です。

ボーゲンヘルパーがなくても、問題なくプルークスタンスを取れる子はいます。でも、スキー歴の浅い子が、その状態を長時間キープするのは容易じゃありません。

つまり…

 

 

滑る本数が減ります!

 

 

滑る本数が減るってことは、上手くなるまでに日数がかかるってことです。

Masaki的には、中級斜面で、明確に「スピードを上げたい」って動きを見せるくらいになるまで、ずっと付けてていいと思ってます。

楽ならず~っとつけててもいいじゃないですか(笑) 子供は滑れば滑るほど上手くなりますから♪

 

 

まとめ

 

ということで、今回は「小さな子どもに楽しくスキーを教えるために必要な事前準備や知識」について書いてみました。

まとめると…

 

・デビューの日は、できれば晴れの日、最低でも大雪の日、吹雪の日は避ける。

・子供が滑りやすいスキー場をインターネット等を使ってしっかり調べる。

・パパママ両方が初心者の場合は、スキースクール入校を検討する。

・基本動作(滑る、曲がる、止まる)ができるのは早くても2歳半くらいから。

・最初の板は、身長マイナス5~10cmくらいの短い板がオススメ。

・ブーツサイズは、足の実寸プラス0.5cmくらいを目安にする。

・靴下は、化繊でブーツから靴下が見えるような長めのものがオススメ。

・厚着をすることができないので、グローブだけは高級品を買う。

・ボーゲンヘルパーのようなスキーの先をジョイントしてくれる補助具を準備する。

 

こんな感じです。

次の中編では「滑る、止まる」に関して、詳しく説明したいと思います。興味を持って頂けた方は、下のリンクをクリック or タップ してみて下さい。よろしくお願い致します。

 

中編…「滑る、止まる」について書いてみました。

 

後編…「曲がる」について書いてみました。

 

ちょっとしたコツ編…「ちょっとしたコツ」をまとめてみました。

Pocket

関連記事

ID OneのMR-Dがコブ初心者に勧められない理由って何?

Masakiです。 携帯を修理に出してみました。有償修理になる場合は、保証を使って、ほぼ新

記事を読む

小さな子どもに楽しくスキーを教える方法【後編】

Masakiです。 LEGIT WORKSには、スキー場やスキー道具、イベント等、スキー関係の

記事を読む

小さな子どもに楽しくスキーを教える方法【ちょっとしたコツ編】

Masakiです。 前に開催されたのポイントキャンペーンの時に、ヤフオクで買い物をしました。そ

記事を読む

小さな子どもに楽しくスキーを教える方法【中編】

Masakiです。 今シーズンも少しづつ終わりが見えてきましたね。毎年この時期ちょこっとだけ寂

記事を読む

Comment

  1. 幻のエース より:

    他のサイトには短ければ短いほど良いとあったりして悩んでいます。短いスキー板はどう思いますか?
    身長100cmぐらいの初心者の息子に70cmの板を検討しています。

    上に「最初の板は、身長マイナス5~10cmくらいの短い板がオススメ 」とあります。

    • Masaki より:

      コメントありがとうございます。板の長さは大人であっても、子供であっても好みがありますので一概に言えませんが… 短ければ曲がりやすくなり、安定性が落ちます。長い場合はその逆になります。私の経験から言うと、総合的にバランスがいいのが身長マイナス5cm~10cmだと思ってます。70cmはお尻からペタっと座るようにコケることが多くなると思います。初めて使う板なら、ギリギリありだと思いますが、普通に滑る、止まる、曲がるができてからに関しては70cmのメリットはほぼなくなるかと思います。返答になりましたか? また、いつでもお気軽にコメントくださいね。

  2. 幻のエース より:

    返信、ありがとうございます。とても参考になります。

    自分はスキーは成人してからで、その頃に初めて履いたブーツとスキー板の重みと、それに起因する板の取り回しの不自由さに苦労した印象が強いです。

    そんなこともあり、出来るだけ短く軽く、しかも取り回しがしやすいということで、まず最も難易度が低い市販の最短70cmが良いかもと悩んでいます。

    短いと安定性がなくなるというのは目に鱗でした。
    3歳の息子のデビュー戦なので、すぐに70cmが卒業になったとしても、可能な限りハードルを下げた(板の長さのせいにできない)道具でのスタートを検討しています。

    中国地方なので融雪との時間の勝負もあるので、板の長さはアドバイスを参考に再考してデビュー戦を迎えようと思います。

    • Masaki より:

      確かに最初は取り回しにくい板は本当に辛いですよねぇ あくまでイメージなんですけど、板の長さを極端に想像すればどうなるか想像しやすいと思います。70cmじゃなくて30cmまで短いとしたら… クルクル回れますが、ツルツルのブーツを履いているようなものですから安定性はなくなります。逆に100cmじゃなくて、200cmだったとしたら… コケようがないくらい安定しますが、100cmの子供がターンするのは不可能でしょう。

      幻のエースさんの状況をお聞きするに、個人的にオススメは子供用のスキー道具をフルセットで買うとして、板はやはり90cmをオススメします。で、初日のみ板だけ70cmをレンタル!これでどうでしょうか? 初日は安定性より取り回しを優先するのはメリットもありますので♪

  3. 幻のエース より:

    Masakiさん

    再度のお返事、ありがとうございます。
    確かに、70cmをすぐにこどもがマスターしたとのことで、リサイクルアプリに出品されていることを考慮すると、いわゆる“簡単な(面白味に欠ける)板”なのかもしれませんね。

    スキーの本質が滑ることだとしたら、90ぐらいが“面白い板”なのかもですね。

    最初はレンタルで様子を見ては良いアイデアです。参考にします、ありがとうございます。

    相談ついでなのですが、6歳の長女は身長120cm程で今シーズン120cmの板で自分でターンを始めて、初心者コースの緩斜面を一人で滑れるようになり楽しいようです。もう少し短い板が良かったのかもと100cm板をさがしているのですが、もうこのまま120cmで良いのでしょうか?
    (度重なる質問申し訳ありません。ご回答は無理のない範囲で。なくてもOKです。)

    • Masaki より:

      そですね、最初はレンタルがいいかもしれませんね♪

      身長120cmのお姉ちゃんですが、120cmの板で楽しめているのであれば、そのままもありだと思います。ただ、まだ中級斜面を滑っていないのですよね?もし中級斜面に丸1日挑戦しても暴走が多めで苦労している様子があったら短くする検討をオススメします。もちろんその時も私のオススメは110cmですけどね(笑)

      色々とご質問いただいたので、押し付けがましく(笑)ブログには書いていない、(お姉ちゃん用の)そこそこ滑れるようになった子供の上達を助けるアドバイスをお伝えしますね。

      「沢山曲がって目一杯飛ばせ!」

      スキーを競技ではなくレジャーとして捉えるのであれば、小学校6年生までこのアドバイスだけでも十分であると思っています。安全を確保した上で、できるだけスピードを出す。そうすると自然にスキーが揃ってくる(パラレルスタンスになってくる) スピードレンジが低いのに上手な小学生を生涯一人も見たことがありません。スピードアップは確実に対応力UPにつながります。高学年になると技術論を好む子もいるので、そのような子には技術的なアドバイスをすることはありますが、それ以外の子には、沢山曲がって飛ばしつつ、ゲームやったり競争したり、スキーを楽しませることを最優先しています。

      お二人のお子様がスキーを大好きになってくれるといいですね♪

  4. 幻のエース より:

    Masakiさん
    たびたびのお返事、ありがとうございます。
    子ども二人がスキーという趣味ももって、スキーも楽しむ人生の幅をもって欲しい、いつかカナダやヨーロッパの旅行でもスキーを楽しんでくれたらと夢みています。

    二人ともスキー場ではヘルメットを着けさせているので、安全に楽しみたいと思います。

    また相談させてくださいね。
    (もしかしたら、こどもの上達の報告をさせてもらうかも(笑))

    この度はいろいろアドバイス、本当にありがとうございました。相談する相手がいなかったので助かりました。
    アドバイスしていただいた“優しさ”を今度は他の人に回そうと思います。スキー場とかで(^-^)

  5. リン より:

    今日3歳になった娘のデビューだったのですが、完全に親の教え方の勉強不足でお昼休憩に急遽検索してこの記事に辿り着きました。
    午前中は嫌われる前に早々にギブアップしたので、午後また(ブログの通り片足から)チャレンジしてくれてよかったのですがプラスキーだったので来週末にも改めてレンタルして再デビューと思ってます。

    私もバックボーゲン練習しなきゃ…

    コツまで全部読んで大変勉強になりました!ありがとうございました!

    • Masaki より:

      コメントありがとうございます。今回はプラスキーのトライだったということで、次回が本番って感じですね。スキーが大好きになってくれるといいですね♪ また、質問等ありましたら、お気軽にコメントしてください^^

  6. powder snow より:

    はじめまして。小学3年生の息子にスキーを教えるために検索させていただきました。
    初めは、私もハの字で!を連呼し、出来ない息子は泣き出し、スキー場が修羅場になっておりました…。
    何とかしなければと、こちらの記事を読ませて頂き、ストックを持たせずプルークスタンスを息子の好きなキャラクターに名付けて、その姿勢だよ〜と褒めただけで綺麗なターンが自然と出来て、本人もこんなに楽しいんだ!と、ドンドン滑り始め、最後はルスツのイゾラ山頂から一度も転ばずに楽しく滑って来られるまでになりました。

    またスキーがしたい!僕も大きくなったらスキーの先生になって、好きなキャラクターを聞いて教えてあげるんだ!と話していた息子の言葉が忘れられません。こちらの記事を読まなせて頂かなければ、息子は二度とスキーはしなかったかもしれません。教え方、態度が何事も子供に大きく影響するのだと、親の私が学ばせて頂きました。心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

    • Masaki より:

      コメントありがとうございます。ここまで活用していただけるとは… 記事を苦労して書いた甲斐がありました。 息子さん、スキーが好きになってくれて本当によかったですね。しかもスキーの先生になりたいって… ちょっと感動しています。 いつかスキー場で息子さんとご一緒したいですね。 

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

PAGE TOP ↑